その17

いまでも聴ける演奏をメインに考えて来ているのですが、なかなかその中からチョイスするのって難しいものだなと。
だいたい、ここで演奏の良さを書いたところでわかりませんしね。
なのでなるべくCD化されている音源をあげていきたいと思います。
では、本題


1:曲名

ハンガリー民謡「くじゃく」による変奏曲より

2:演奏団体

神奈川県立野庭高等学校(指揮:中澤忠雄先生)

3:演奏大会名及び年

全日本吹奏楽コンクール第41回大会(1993年)

4:曲紹介

 作曲はゾルタン・コダーイ   編曲は森田一浩  

 バルトークと共にハンガリーの民謡や民族音楽の研究者として、有名なコダーイですが、その中でもこの曲は民謡を題材にした曲としては最骨頂の作品だと言えるのではないでしょうか?メロディ(主題)はたったの数小節にもかかわらず、16もの変奏と終曲をつくりあげたわけですから。
 曲としては、主題がティンパニトレモロから厳かにはじまりそれをどんどんといろんな楽器を使いつなげていき主題は形を変えて、いったん盛り上がりを見せます。途中フルートの長いソロを経由して一気に終曲へと盛り上がりを見せ、最後には飛んでいきます。
 今回の演奏では、変奏のいくつかを抜粋して演奏されています。

5:個人的評価

 今や伝説となりつつあるバンド、野庭高校。高校生としてはものすごく大人な演奏をいつも奏でてくれるすばらしいバンドでした。神奈川といえば野庭高校ありとまで言われるくらいまで成長しました。全国出場当初は難曲の多いリードの曲を演奏し、金賞をいくつもさらっていきました。また、そのほかの曲でも他とは違う味をいつも響かせていました。残念ながら、指揮の中澤先生の急死、それから学校自体の合併吸収により、今となっては聴けない存在となってしまいました。その演奏は今でもファンが多く、最近ではCDも発売され今や伝説と化した高校です。
 今回の「くじゃく」の演奏もその名に恥じない演奏です。他にも「くじゃく」に関しては名演が多いですが、この93年から野庭高校と土気中の演奏が無ければ現在の「くじゃく」ブームは無かったでしょう。そのくらい演奏は魅力的で人を引きつけてやまないです。演奏としては野庭の演奏としては若干肩に力が入った演奏ではありますが、随所にうまさをみせ、大人の雰囲気をかもしだした演奏となっています。
 一度は野庭サウンドに酔いしれて見てはいかがでしょうか? 

それでは次のお話で